院長ブログ

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首のところが腫れたとき・・・甲状腺疾患

甲状腺は、首のところ、のど仏の下に蝶のような形でひろがっています。
正常甲状腺の場合、やせていらっしゃる方では触ることができますが、多くの方はほとんどわかりません。
全体的に腫れている場合やしこり(腫瘍)などがあるような場合はゴクリと唾をのみ込んでもらった時に注意して触るとわかります。
甲状腺が腫れる病気にはホルモン異常の病気と腫瘍性の病気に大別できます。

1)ホルモン異常の場合
ホルモン異常は、さらにホルモン過剰の場合と不足の場合に分けられます。
ホルモン過剰な場合で有名な病気は、バセドウ病です。
自分の甲状腺に対して自己抗体ができる病気です。

自己抗体が自分の甲状腺を刺激してホルモン産生を促し過剰なホルモンが分泌されます。
その結果、動悸や手の振るえ、体重減少などの機能亢進症状がでます。
バセドウ病以外でも甲状腺ホルモンが過剰になる場合が稀にあります。 甲状腺細胞が炎症により壊れることでホルモンが一過性に血液中に漏出される場合です。

亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎と呼ばれるものがあります。
甲状腺の炎症により細胞が壊れて機能亢進した状態になったものだと考えられます。
2~3ヶ月経過をみるだけで自然とよくなります。
ですからバセドウ病のように抗甲状腺剤を使用する必要はありません。

ただし何度も繰り返すことがあるので要注意です。
逆にホルモンが低下する場合にも甲状腺全体が腫れます。
慢性甲状腺炎(橋本病)が原因になることが多いです。

この場合も自己抗体ができるのですが、甲状腺ホルモン産生を促さず炎症だけを引き起こします。
その結果、徐々に細胞が破壊されてホルモン産生ができなくなり機能低下症となります。
症状としては、代謝低下による冷え、顔や手足のむくみ、めまい、体重増加などです。

2)腫瘍性の場合
腫瘍性病変は、全体の腫れでなく片側だけであったり局所的な腫れとして認められます。
どんなタイプの腫瘍か調べるためには、甲状腺エコー検査をするとよいでしょう。
一番多く見つかるのは甲状腺のう胞です。

これは液体が貯まっただけのものでとくに治療の必要はありません。
5人に1人くらいの頻度で認められます。
内部が充実性の腫瘍には、良性と悪性があります。
90%は、良性ですが鑑別には針で細胞の一部をとり細胞の形態で判断する穿刺細胞診検査をする必要があります。
通常は悪性と判断された場合のみ手術治療の対象となります。

鏡を見て自分で首の部分が腫れているとわかるような場合は、病院で診てもらったほうがよいですよ。