院長ブログ

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骨の健康を保つには・・・骨粗鬆症

建物は、内側からしっかり支えているものがあり安全が保たれます。身体も同じです。身体を支えている「骨」が丈夫でないと健康を維持できません。

1)骨の役割
骨には二つの重要な役割があります。

身体を支えること
海から陸にあがると浮力がなくなりますので、重力の影響を直にうけます。
自分の体重を支えることが必要になりました。その結果、海中で暮らしていた時よりも陸に上がった動物の骨は固く丈夫なものになりました。

カルシウムを蓄えること
身体の中でカルシウムはとても大切な働きをしています。細胞同士の連絡をとる情報伝達や筋肉の収縮作用に必要です。カルシウムが足りないと生きてゆくことができません。

海の中で生活している動物は、海水に一定量のカルシウムが含まれるため、それを自由に使用することができカルシウムが不足することはありません。

ところが陸に上がった途端、カルシウムはいつでも手(身体)に入るものではなくなりました。
骨が発達してカルシウム不足の時でも自由に引き出せる貯蔵庫としての役割を持つようになりました。

カルシウムは、食物から吸収されて骨に蓄えられて腎臓から排泄されます。
骨は、少しも変化がないように思われますが、実は常に作られ(骨形成)、壊され(骨吸収)を繰り返して変化しているのです。これを骨代謝とよびます。

血中のカルシウム濃度を一定にするために3つのホルモン(PTH、ビタミンD、カルシトニン)が腸管(カルシウムの吸収)、腎臓(カルシウムの排泄)、骨(貯蔵カルシウムの出し入れ)に働いています。

2)年齢による骨密度の変化
骨形成と骨吸収のバランスにより骨量は変化します。年齢により骨量が変わります。
骨形成>骨吸収の時期は骨ができます。ピークは20~30歳代です。
それ以降は、骨形成<骨吸収となり徐々に骨量が減ってきます。

特に女性では、閉経を迎える50歳以降は、骨密度が急激に減少します。
その理由は、女性ホルモン低下によるものです。

女性ホルモンには妊娠時にカルシウムを胎児に奪われ自分の骨がもろくなるのを防ぐために骨形成作用があります。閉経時に女性ホルモン分泌が低下すると骨形成が行われず骨密度が低下して骨粗鬆症になってゆきます。
閉経後に骨密度が低下する速度は、誰でもほとんど同じなので骨粗鬆症になりやすさは、20~30歳時にどのくらい骨密度のピークが高いかにより決まります。
10代、20代で痩せている女性は、骨密度のピークが低いために50年後に骨粗鬆症になるリスクが高くなります。現代の若い女性でもみられる痩せは、だから問題なのです。

3)骨密度を低下させる因子
骨の密度を低下させる危険因子には以下のようなものがあります。

・運動不足
・喫煙
・カルシウム不足
・ステロイド使用
・関節リウマチ
・慢性腎疾患
・加齢

4)骨密度を保つためには
骨粗鬆症にならないようにするための予防策は、以下の点です。
カルシウムとビタミンDが多く含まれる食事をとる

・乳製品、魚、シイタケ、サンマ、鮭、うなぎなどの食材をとりましょう。
・骨密度を低下させる習慣や食べ物を控える
・喫煙、お酒、スナック菓子、カフェインはカルシウム不足を起こします。
・日光に短時間あびる
・1日15分くらい日光を浴びることでビタミンDを増やします。
・運動をする

骨は、骨密度を維持するためには運動刺激が大切です。
長期間宇宙の無重力状態で過ごした宇宙飛行士にとって一番問題となるのは骨粗鬆症が進んでしまい、立つこともできなくなることです。
骨粗鬆症への対策ができなければ宇宙で生活することは難しいでしょう。
骨粗鬆症の薬
骨粗鬆症の薬が多数で回っています。
その中でもっとも効果があるのはビスフォスフォネート製剤です。
でも長期に使用すると固いけれどももろい骨になると報告されています。

骨のアンチエイジングも、結局 適度な食事と運動を習慣化させることなのです。
できるだけ薬にたよらず生活習慣で骨粗鬆を予防しましょう。

現代人の運動不足は深刻です。一日最低6千歩、できれば8千~1万歩きたいですね。