院長ブログ

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高齢者の意識消失・・・てんかん

グループホームの入所者やデイケア利用者が時々意識がぼんやりしているということで外来につれてこられることがあります。
職員は、脳卒中かもしれないと思い慌てています。
介護職員は、責任感が強い方が多いです。
でも外来診察に来たときは、利用者の方は医師からの問いかけにも返事をすることができます。
あれ、いつのまにかいつもの○○さんにもどっています。
介護職員の方は、なんか気まずそうな様子です。

職員から話を聞くと、昼食後に突然ぼんやりして意識の低下がおこったといいます。
こういうことはデイケアやデイサービスでしばしばおこります。
意識障害は、認知症そのものでもおこりますので診断をするのに迷います。

意識低下や言葉がでない、手足のマヒなどが5分以内で回復する時はてんかんを疑います。
てんかんというと意識を失い転倒して手足をケイレンさせているイメージが一般的にはあります。
でも意外と高齢者にもみられるものです。

脳卒中の後遺症、頭部外傷などの後遺症、認知症による症候性部分てんかんです。
意識障害や発語困難だけで、手足のケイレンはありません。
もちろん初めての時は脳卒中の再発や脳腫瘍を疑って頭部CT検査を行う必要があります。
CT検査で明らかな異常が見られず、なんども同じような意識障害をおこす場合は症候性てんかんと考えてよいでしょう。

このようなてんかんでは心臓病を併発することもあるので要注意です。
あまりひどくなければ必ず回復するので特に治療をせずに経過をみるだけでもよいでしょう。
頻繁におこる場合は、抗てんかん薬を使います。
高齢者に、抗てんかん薬を使う時は腎機能の低下などがあるので少量の薬から開始することが重要ですね。
普通量を服用すると眠気がつよくなったり肝障害がおこったりなどの副反応のおそれがあります。

認知症の患者さんにはいろんな病態がおこりうるということを介護職員やご家族も知っておくと慌てずにすみます。
きまずそうな顔をしている介護職員には、利用者のちょっとした状態変化を見逃さずに診察につれてきたくれたことはよかったと伝えます。
何か状態に変化が起こったら先入観をもたずに行動をうつすことは大事なことだと思っています。