糖尿病の経口薬

先日、糖尿病のインスリン療法の良さについて書きましたが、今日は経口薬について書きます。

経口薬もかなり効く薬がでて、糖尿病の治療の選択肢がかなり広がったと思います。
現在使われている経口糖尿病薬は、6種のタイプに分類できます。
この6種類は、さらに作用機序から3種に大別することができます。

膵臓から分泌されるインスリンの効果を高める2種;ビグアナイド系(メトグルコ)とチアゾリジン系(アクトス)。
膵臓からのインスリン分泌を促進させる3種;スルホニル尿素系(アマリール、グリミクロンなど)とDPP-4阻害薬(ジャヌビア、ネッシーナなど)と速効型インスリン分泌促進薬(グルファスト、スターシス)。
腸からの糖の吸収を抑える1種;α-グルコシダーゼ阻害薬(ベイスン、セイブルなど)
この2、3年での画期的な治療の変化は、DPP-4阻害薬が発売されたことです。

この薬は、腸から分泌されるインクレチンとホルモン(作用はインスリン分泌を促進させます)の活性を高めます。最初出た時は、効果は眉つばではないかと疑いましたが、実際に使用してみてその効果は大満足でした。
なによりよいのは、それまでよく使用されていたスルホニル尿素系薬剤のように低血糖の心配がいらないということです。
これは、外来で患者様の治療を行っている臨床家にとってありがたいことです。

だから現在の経口薬治療の主体は、α-グルコシダーゼ阻害薬(ベイスン、セイブルなど)、ビグアナイド系(メトグルコ)とDPP-4阻害薬(ジャヌビア、ネッシーナなど)の3種を組み合わせることでかなり上手くいく症例が増えています。

もちろん食事療法と運動療法が基本にあっての薬物療法であることを忘れてはいけませんよね。

毎月ヘモグロビンA1cを検査してその値を6.9%以下に維持することを目標に治療してゆくことです。

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