どこにゴールを設定するのか・・・認知症

認知機能の低下した高齢者をケアするのになにが大事でしょうか。
その点を考える場合、どこをゴールとするかということが重要になります。

ゴールを以前のように元気でしっかりしたおじいちゃん、おばあちゃんにもどってほしいと考えた場合、他の病気と同様に専門の病院を受診し医師に頼ることになります。医師が処方してくれる薬で良くなることを期待します。
現在、認知症治療薬として使用されている薬は4種類あります。
どれも進行を遅くするだけの効果しかなく治癒することはできません。

薬変更の勧めは認知症治療のガイドラインにも載っています。
しかし薬変更が本当によい結果がでるという大規模臨床研究試験は存在しません。
それどころか認知機能低下をよい状態で維持するのに役立つ治療は、薬3割、非薬物的治療が7割であると報告されています。

ほとんどの認知機能低下は、老化現象です。
医師や医療機関ができることはそんなに大きなものではありません。
だれもが老いてゆくことにはあらがえません。
以前のような状態にもどってほしいと願っても不可能なことです。

ではどこにゴールをおいたらよいでしょうか。
まずはつらいことですが老化現象であるのを受け入れること。
私は、できるだけ自宅または施設でこれまでの様に穏やかに生活できることだと思っています。

介護する家族の負担が大変じゃないかといわれるかもしれません。確かにその通りです。
その負担を少しでも軽減するために、日本では介護保険制度があります。
いろんなサービスが用意されています。
ケアマネが認知機能が低下した方の状態や家庭環境をみて個人に合わせた適切な介護ケアプランを作成します。
こんなきめ細やかで素晴らしいサービスを提供できる国は世界の中でそんなにありません。

最近は、地域全体で認知機能低下した高齢者を受け入れようという考えで行政が働きかけています。
地域包括ケアといいます。
この施策は、素晴らしいものだと思います。

ご家族と多職種の介護・医療者たちが知恵と力を出し合って高齢者に優しい地域つくりを実践できたらよいなあと思います。

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